発見と摘発

市場経済社会を健全に保ち、その活動を続けていくためには、自由な市場取引を阻害し、利益を一部に偏らせるような不正取引や不正行為などを規制し、禁止していかなくてはなりません。

しかしながら、こうした不正行為を表立って行うようなことはもちろんなく、陰に隠れてしまう不正取引、不正行為を発見し、これに対しての警告や禁止などを常に行っていく必要があります。

特に、金融市場に対する不正行為は、多くの社会資産が投じられている市場であるために、そこから発生する損失も大きなものとなり、この損失からの回復を行うためには、その不正取引で搾取された損失額よりも、さらに大きな損失コストを支払わなければならず、また、市場に対する社会的な信頼の失墜の回復などをも考えると、その企ては決して許してはならないものになります。

こうした事から、国家省庁である金融庁が証券取引等監視委員会という機関を置き、これに対しての発見と摘発を行っているほか、金融市場を取り仕切っている証券取引所、並びに証券取引業協会なども、市場に対しての自浄作用としての機能を働かせ、市場への自主規制機関として、こうした不正行為の発見に努めています。

またこのほかには、こうした金融市場で取引が行われている、有価証券や金融商品などを取り扱っている証券会社においても、顧客である投資家の取引の内容やその動向に対しての監視を行っており、不正取引に抵触する取引行為や、また疑われる取引などについての早期発見をし、これにたいして勧告や通告などを行うと同時に、その行為が悪質であると判断されれば、関係機関に通報しその証券会社を通じた取引を制限したり、口座を凍結したりという対応を取っています。

このように不正取引を発見するために、多くの関係機関が連携を取って、これの対処にあたっており、特に証券取引等監視委員会では市場分析審査課を置き、年間に数千件にも及ぶ一般からの情報の提供を分析し、またネットやSNSなどにおけるブログや書き込み、発言などのチェックを行い、不正取引の早期発見に努めています。

証券取引所や証券取引業協会なども、こうした証券取引所等監視委員会に対して不正行為と思われる情報を常に提供しており、特に証券取引所からは、不審な取引や、株銘柄の異様な急騰や急落などがあった場合には、その株を取り扱っている証券会社と連携し、その株銘柄の取引に関する個別の顧客の注文データを入手して、この取引の審査や解析を行っているのです。